今まで沢山の相談者から、夫婦の問題についてご相談を受けてきました。
その中でも、特に多いと感じたお悩みを5つ紹介していきます。
もし、これから紹介するお悩みを一つでもお持ちの方は、離婚の危機かもしれません!
性格の不一致
男女ともに離婚を考える理由で一番多いのが、性格の不一致です。
しかしながら、相手が離婚に応じない場合、性格の不一致を理由に離婚をすることは出来ません。
なぜなら、性格の不一致は法廷離婚事由に該当していないからです。
そもそも、なぜ「性格の不一致」という問題が起こるのでしょうか?
性格が合わなくても仲の良い夫婦は沢山います。
結論から言うと、コミュニケーション不足が原因です。
まず、生まれ育った環境が違えば価値観が違って当然ですし、男女での考え方や物事の捉え方も全然違います。
なので、「性格の不一致」は、どの夫婦にもある当たり前のことなのです。
付き合っている時は、お互いの共通する価値観や趣味、好きなことを探そうとしますが、
結婚して一緒に暮らすようになると、2人の考え方や価値観の違いの方ばかりが気になってしまいます。
しかし、これは全ての夫婦に起こることです。
問題は、2人の価値観の違いなどから対立が生じた時にどう対処するかです。
良くないのは、自分の考えを押し付けたり、逆に自分の意見を押し殺して我慢したりすることです。
こういったことが積み重なった結果、「性格の不一致」という理由の離婚に繋がります。
では、2人の意見が違った場合どうすれば良いのでしょうか?
まずは、相手の考えを理解しようとすることです。
人は自分の考えを理解して欲しいものです。
なぜなら、自分の考えを理解してもらえないと、自分を否定されたように感じてしまうからです。
だから、必死になって自分の考えや思いを相手に伝えようとします。
しかし、それは相手も同じです。
なので、お互いが相手の話を聞いているフリはしますが、実際は何も聴いておらず、自分の意見を聴いてもらうことしか考えていません。
これでは夫婦仲が悪くなっていくのは当然です。
まず、あなたが相手の話をしっかり聴きましょう。
この時、相手の話を止めたり、反論したりすることは絶対にしてはいけません!絶対です!!
相手が話している最中に一回でも自分の意見を言うと、もう自分の話は聴いてもらえなくなります。
どうしても伝えたいことがあるなら、相手の話が終わってから言いましょう。
相手の話を最後までしっかりと聴き、相手の考えを理解しましょう。
一度聞いても理解できなければ、理解できるまで聴きましょう。
ただ、共感したり同意する必要はありません。相手の考えを聞いて理解して受け止めるだけで十分です。
次に、相手の話を聴いたら次は自分の考えをしっかり伝えましょう。
相手が分かりやすいように、相手が分かりやすい言葉を使って、丁寧に根気強く伝わるまで話をしましょう。
初めにあなたが相手の話をしっかり聴いていれば、相手もあなたの話をちゃんと聴いてくれます。
そして、お互いの気持ちや考えが理解できたら、2人の納得のいく結論が出るまで話し合いましょう。
もし、2人だけでの話し合いでは、どうしても結論が出そうに無ければ、第三者を交えてお話するのも良いでしょう。
例えば、共通の友人や親、兄弟などの身近な人や、カウンセラーといった他人でも良いでしょう。
夫婦のコミュニケーションにおいて、”会話”というコミュニケーションはとても重要です。
どんな時でも”会話”というコミュニケーションをしっかり取れていれば、ほとんどの問題は乗り越えて行けるでしょう。
しかし、”会話”が減ってきたり、避けるようになってしまうと、些細なことをきっかけに離婚という問題にぶつかってしまいます。
金銭問題
夫婦間の金銭トラブルは心身ともに多大なストレスとなります。
経済的な困窮は精神を疲弊させ、夫婦仲も悪くなっていきます。
女性側が挙げる離婚原因で、「性格の不一致」に次いで2番目に多いのが、「生活費を渡さない」です。
最低限の生活費を入れないことは、婚姻生活が破綻するだけではなく、妻側にとっては心身ともにとても大きな苦痛を受けることになります。
これは経済的なDVだと言えるでしょう。
例え共働きの場合でも、生活費を入れないことは”扶助義務違反”にあたりますので、2人の収入額に応じた生活費を入れるべきです。
そして、もちろん生活費を入れないということは、離婚事由に該当するので、生活費を入れてもらえないことを理由に離婚することはできます。
さらに、慰謝料の請求や、生活費も過去に遡って請求することができます。
ギャンブルによる金銭トラブルも婚姻生活を破綻させる原因になります。
余裕のあるお金でギャンブルを楽しむ分には良いのですが、ギャンブルをするために生活費に手を出したり、ましてや借金までしてギャンブルをしてしまうとなると深刻な事態と言えるでしょう。
ギャンブルによってできた借金からは、抜け出すことがとても難しいです。
さらに、依存症ともなると働いても働いても借金は減るどころか、またギャンブルで借金が増えていくという悪循環に陥ります。
そして、ギャンブル依存は病気です。
本人の意思では治せません!早急に専門家のもとで治療することが望ましいでしょう。
また、浪費癖も離婚につながるお金の問題の一つです。
近年では、ゲームアプリへの課金や日常の買い物も、現金がなくても支払いができたり、簡単に後払いで買い物ができて便利になったと同時に、お金の管理ができないと、すぐにお金で失敗しやすいようになりました。
なので、浪費癖は生活費を入れてもらえないことや、借金地獄に繋がりやすいので、そうなる前にしっかりと話し合いをしたり、周りに相談して対処しましょう。
精神的虐待・DV
妻側の離婚の理由で増え続けているのが、モラハラ(精神的虐待)やDV(暴力行為)です。
付き合っていた時や、新婚の頃は仲が良かったのに、時が経つにつれて暴言がひどくなってきた、暴力を振うようになったというケースを多く聞きます。
モラハラにおいて怖いのが、自分がモラハラを受けている自覚がないことが本当に多いことです。
「夫といると気が休まらない」
「声を聞くと精神的に苦しくなる」
「ひどい言われ方をしても、自分が不甲斐ないから仕方ない」など、
苦しみの理由がモラハラだと気づかずに我慢していたり、自分を責めてしまったりしているのです。
また、モラハラ夫は高収入だったり、外面が良かったりすることが比較的多い傾向にあります。
なので、他人からは”良い旦那さん”と思われる為、相談しても分かってもらえず、1人で抱え込んでしまうようになります。
そして、モラハラにおいて怖いもう一つのことが、自分がモラハラをしている自覚がないことです。
モラハラを理由に離婚を切り出されたという相談者のほとんどの方が、
「モラハラなんかしていない」
「そんな風に思っていたなんて知らなかった」
「言ってもらわないと分からない」など、
モラハラをしている本人は無自覚なことが多いのです。
こういった事により、モラハラをしている方も、されている方も両者がモラハラと気づかないまま夫婦の関係を壊していってしまいます。
そして、モラハラをするのは、夫に限ったことではありません。
最近では、モラハラ妻に悩まされる男性も増えてきています。
ただ、モラハラをする人の言動には共通するパターンがあるので、少しでも気になったりしたら、相談してみることをお勧めします。
カウンセラーなどの専門的な知識を持った方に相談すれば、モラハラであると判断された場合でも、その後の対処の仕方も同時に相談できます。
また、モラハラだけではなく、DV(家庭内暴力)にまでなると事態は深刻です。
ケガや命の危険を伴うこともあります。
DVは当事者たちだけで解決することは、とても難しいです。
事件が起こる前に、一刻も早く相談機関に相談しましょう。
異性関係
浮気・不倫による不貞行為はパートナーに対しての卑劣な裏切り行為です。
浮気をされた側は、日常生活に支障をきたすほどの精神的ショックを受けます。
怒りはもちろん、惨めさや喪失感、絶望や不信感など、さまざまな負の感情から心が不安定になります。
もちろん夫婦の関係は破綻しますし、不貞行為の証拠があれば、裁判上での離婚の請求ができます。
さらに、慰謝料請求もできます。
男性の浮気は女性の浮気より分かりやすいです。
「スマホを手放さなくなった」「不自然な残業や休日出勤、出張が増えた」など、
不自然なほど急に日常生活に変化が現れるので、分かりやすく足もつきやすいです。
浮気によって崩壊した夫婦の関係を修復するのはとても難しく、一生をかけて信頼を取り戻していくほどの覚悟が必要になってきます。
性的不調和
日本は世界的に見てもセックスレスの夫婦が多い国と言われています。
セックスレスのきっかけはさまざまですが、妊娠・出産が要因になることが多いようです。
セックスレスが続くと、男女ともに自信を失いやすく、浮気につながる場合もあり、結果として離婚の原因にもなりえます。
共働きの多い現代では「仕事や家事で疲れている」「子育てが大変で体力が残っていない」といった理由も多く挙げられています。
さらに、太ったり清潔感がなくなったなど、見た目の問題で相手に魅力を感じなくなったというケースもあります。
しかし、こういった場合は改善の余地は十分ありますので、セックスレス解消はしやすいでしょう。
また、妻が浮気をしていて、夫との性行為を拒否している場合もあります。
女性は恋愛感情と性行為の結びつきが強いので、浮気相手に本気になってしまうと夫に触れられることさえ嫌悪感を覚えてしまうこともあります。
その他
上の5つ以外に近年急激に増え続けているのが、親の介護を理由に離婚を考える『介護離婚』です。
妻の立場からすると、「夫の両親の介護にストレスを感じる」ことが多いようです。
さらに、介護のために仕事を辞めなければならないこともあり、妻の人生に大きな影響を与えます。
また、夫が介護に協力しないことが多く、それがよりストレスに拍車をかけ、精神的にも肉体的にも追い詰められていきます。
そして、年齢を重ねていくと、今度は夫が病気になり、夫の介護をする必要性が出てきます。
年齢が近ければ自分も高齢になっているので、老々介護となり心身ともに大きな負担になることで、離婚を決断するケースが増えています。
離婚を回避するには
今回紹介した「離婚の原因」をそのままにしてをくと、ほぼ確実に離婚に繋がります。
回避するには、『コミュニケーション』をとるしかありません。
特に『会話』というコミュニケーションがとても重要になってきます。
一度会話がなくなったパートナーと会話を増やすのは、とても勇気がいることです。
何を話せばいいのかも分からないでしょう。
初めは話を聞いてもらえないこともあるでしょう。
それでも話しかけ続けることは、とても辛くて大変なことです。
もし心が折れそうな時は、カウンセラーに相談するなどして、決して1人で抱え込まないように気をつけましょう。
1人で頑張ることよりも、いろんな人の力を借りながら根気強く、長く頑張っていくことが大事です。